カトリックさいたま教区/CATHOLIC SAITAMA DIOCESE

活動報告ACTIVITIS

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平和旬間

2018.8.5
平和旬間 埼玉県

さいたま教区では、2018年の平和旬間の取り組みとして、各県、各ブロックや小教区など、自主的な企画と取り組みを行い、平和について考える機会を持った。

8月4日(土)東松山教会では、「もみの木撤収後の被災者・被災地」と題して、プロジェクターを用いて朝尾氏により詳細な説明を頂いた。参加者の大部分の方はもみの木の参加経験者ですが、時間の経過とともにともすると問題意識が薄れてきていたが、朝尾氏より現状のお話を伺い、継続的に福島の現状を語り継いでいく必要性を再認識した。休憩をはさんで、3ブロックに分かれて分かち合いを行い、各ブロックで共同祈願を作成し、発表した。

8月5日(日)11時半より、浦和教会聖堂において、長崎の原爆と差別についてのDVD鑑賞&分かち合いが行われた。約50名の参加があり、鑑賞後集会室にて、軽食をとり、小グループに分かれて分かち合いの時間をもつことができた。最後に2015年浦上天主堂壁面に上映された「長崎の祈り」という短い映像を観て、解散した。

8月10〜13日、所沢教会では"共に歩む「主の平和」をテーマとしたサマーキャンプが行われた。移動教会との位置づけであるので、小学生だけでなく、老若男女約80名が参加した。初日の夜は、小学生、中学生、高校生・青年・大人とわかれ、主の平和について分かち合った。小学生は、美味しいご飯、楽しい時間、ケンカをしても"主の平和"と、戦争などだけではなく、身近にある平和について考え、キャンプ中の様々な場面で平和の挨拶を交わした。
"私たちののぞむ平和ではなく、神様ののぞむ平和が日常になっている世界を、神様と私たちで一緒に創れますように。でも私たちは弱いので、時に誘惑に負け、神様ののぞむ平和への道を間違えてしまうかもしれません。そのときは、私たちの道を正してください。"(中2・女子)
"いま、平和を感じていない全ての人のために祈ります。そんな苦しみの先に、希望の光を見出し、平和の道を切り開かせてください。私は正直、平和がどういうものなのか、わかりません。そんな私に平和を教えてください。"(中3・男子)

8月11日(土)10時〜12時 星和幼稚園にて、映画「法王になるまで」を鑑賞(上福岡教会 約50名)軍部独裁政権下での、教会の在り方・平和について考えさせられた。

※7月9日(月)12時半〜15時半 川越教会において、諸宗教者による平和の集いが行われ、仏教、神道、天理教、立正佼成会、カトリック、約150名が共に祈った。



平和旬間 群馬県(東ブロック)

群馬東ブロックは、各小教区ごとに独自に企画し、参加者全員に平和について考え、行動する一助になればとの期待のもとに、8月5日の主日のミサの中で行った。

太田教会では、2018年平和旬間テーマ及びメッセージを伝えるための映像資料を作成し、ミサの中で説明した。映像があったので、皆さんにご清聴いただき、何か胸に残るものを感じていただけたのではないかと思う。ミサ曲として「地には平和」の歌を歌い、聖歌隊が高田三郎作「平和の祈り」4部合唱で賛美した。リゲンザ神父の説教も平和についての大変熱の入った説教であり、「平和」を意識した素晴らしいミサとなった。

桐生教会では、ターゲットを子供たちに置き、七夕の短冊に子供たち自身の言葉で「地上に平和を」願って書いてもらった。大人たちには、桐生市市民文化会館で開催された「平和のための戦争展」を紹介し、戦争の惨たらしさ、愚かさを思い起こしてもらった。子供たちをターゲットにしたことで、絶対にこの子たちに戦争を経験させてはいけないという強い思いを感じた。

館林教会では、ミサの中で、平和旬間テーマ及びメッセージの説明がなされ、日本語、ベトナム語、タガログ語による歌や祈りのミサが献げられた。佐藤神父の説教も平和について、平和のためにするべきことを考えさせられる素晴らしいものだった。ミサ終了後にはアシジの聖フランシスコの「平和の祈り」と召命の祈りを皆さんと一緒に唱えた。

伊勢崎教会では、8月9日(木)7時よりミサが献げられ、その後ベトナムの方々の戦争体験及び難民体験をスライドを交えてお話いただいた。伊勢崎にはたくさんのベトナムの信者の方が居り、今回初めての試みで難民の方々から生の声と体験を、葛藤しながらも語っていただいた。これからもっと隣人の背後にあるものに目を向けて生きていけたらと思う。




平和旬間 群馬県(西、中央北)

群馬西ブロックでは高崎教会で、8月11日(土)13時から 長崎の原爆と差別をテーマにしたDVDの鑑賞後、3グループに分かれて分かち合いを行った。それぞれの参加者の体験、被差別部落に関する意見、浦上の複雑な状況への洞察と理解、多岐に及ぶ内容と、平和の大切さの再認識の確認など、有益な分かち合いができた。その後、平和ミサが國本神父司式根津助祭協力で献げられ、各教会から共同祈願を行い、みんなで平和の大切さを共有し、平和を願った。最後に高崎教会の庭でとれた「平和の國本神父様スイカ」を参加者で賞味し、散会した。

群馬中央北ブロックでは、8月11日(土)10時から 前橋教会にて 「知り合うことから平和を!」をテーマにした集いを行った。まず3人のフィリピン人のスピーチを聞き、8つの少人数グループに分かれての分かち合いが行われた。みことばの祭儀の中でシェガレ神父から、お互いに相手の言葉に耳を傾けて知り合う試みは出発点であり、一人ひとりの意識化と回心が必要であり、平和な社会の実現に向けて実践と祈りの重要性を述べられた。分かち合いをもとに共同祈願を作成し祈った。プログラム終了後集合写真をとり、庭でしばらく歓談が続いた。昼食時の雰囲気は、参加者全員が話しができたことで、とても晴れ晴れとしていたように感じられた。分かち合いを日本語を前提に行ってしまい、日本語で表現できない人もいたことは今後、改善したい。

平和旬間 栃木県

8月4日(土)カトリック鹿沼教会にて

沖縄戦のさなか、沖縄県民の命を守ることに奔走した警察官僚新井退蔵について郷土史家塚田保美氏の講演を聞きました。新井退蔵は栃木県放賀郡清原村(現在の宇都宮市神籠谷町)に生まれ栃木県立宇都宮中学校と進み、巡査をしながら明治大学や幹部を卒業、1927年高等試験に合格、同年内務省に入省。1943年、福井県官房長から沖縄県警察部長に就任。
沖縄戦では、島田叡沖縄県知事を支え、県民の県外・北部疎開や軍との交渉などに当たる。その後、島田と行動を共にし、1945年6月26日、島田と摩文仁の軍医部壕を出たのを最後に消息不明となった。
聴講者からも郷土の偉人を再発見できたと好評を得た。講演後の分かち合いも多くの感想が出て、平和の意味や神の愛、自己犠牲、人間の放漫とそれに立ち向かう勇気を考える良い機会になった。