カトリックさいたま教区/CATHOLIC SAITAMA DIOCESE

司教メッセージMESSAGES

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復活節第2主日 神のいつくしみの主日

2020.12.19 (日)
 皆さん、おはようございます。今日は、復活節の第二の主日であり、2000年からは教皇ヨハネ・パウロ二世により、神のいつくしみの主日と呼ばれるようになりました。そして、今日は、浦和教会の新しい主任司祭、御前ザイエル神父様と一緒にこのミサを司教館のチャペルで捧げています。

 さて、教皇ヨハネ・パウロ二世はなぜ復活節第2主日を神のいつくしみの主日と定められたかと申しますと、イエス様からのメッセージをいただいたというシスター、ファウスティナ・コヴァルスカの列聖式のとき、4月30日に教皇ヨハネ・パウロ二世がこれから「神のいつくしみの日」を毎年の復活節第2主日に祝うようにと宣言されました。シスターはイエス様から受けた色々なメッセージを彼女の日記の中に書き残しています。そのメッセージの中で一番強調されているのは、神はいつくしみ深く、あわれみ深い、そして、すべての人々を愛しておられる。だから、私たちもいつくしみ深い者にならなければいけない、すべての人たちに、言葉、行い、祈りで、良い姿勢をもって、行動をもって、接しなければいけないというメッセージです。

 今日の朗読された福音では、トマスが登場していますが、他の弟子たちと違って、彼だけがそこにいなくて、復活したイエス様とは出会えませんでした。悔しかった彼は、復活したイエス様に会って自分の目で見、その手と足の釘跡を見なければ、信じませんと言ってしまいます。すると、八日の後、イエス様がトマスの前に立った時に、何とトマスはすぐさま「わが主よ、わが神よ」とイエスに向かってイエスへの信仰を告白します。

 わたくしは、いつも、このとき、トマスは何を見、どう悟ったのだろうかと考えます。トマスは、イエス様の手と足の釘跡を見た、しかし、触れはしなかった。見て、信じた。彼の前に立っておられる方が、あの十字架上で亡くなられて、葬られた、同じイエス様だ、そのイエス様が私たちの救い主であるとトマスは信じた。ですから、私たちも、十字架の上から私たちを見てくださっているイエス様を見つめ、そして復活されたイエス様と出会いましょう。それと気づかないで、私たちは苦しい時、困難な時に、何度となく、イエスにお会いし、生きる力、生きる希望、生きる喜びをいただいたのではないでしょうか。私たちも十字架上のイエス様の姿を思い浮かべるとき、隣人を己の如く愛しなさい、敵をも愛しなさいというイエス様のメッセージが深く伝わってくるのではないでしょうか。
シスター・ファウスティーナの神秘的な体験のことをお聞きになった時、教皇は、人類が新しくなるため、また新しい世界へと変容されるためには、私たち一人ひとりが、いつくしみ深い神様のように生き、行動していけば、世界に平和が実現され、人類が一つの家族になっていくのです。

 どうか皆さんも、トマスのようにイエス様と出会って、いつも私たちが苦しんでいる時、もう前が見えない時、十字架上のイエス様の前に立って生きる力、生きる喜び、希望を得るようにいたしましょう。