司教メッセージMESSAGES
年間第29主日 マルコ 10･35-45
2021.12.17 (日)
シノドスの開幕「共に歩む教会のため：交わり、参加、宣教」
兄弟姉妹のみなさん、
先週の日曜日（10月10日）、教皇フランシスコは聖ペトロ大聖堂でのミサにおいて、３年間のシノドスの道をスタートさせました。テーマは「共に歩む教会：交わり、参加、そして宣教」。このシノドスのプロセスには３つのステップがあります。第一のステップは各教区レベルで。その後、大陸レベル（アジア・オセアニア、アフリカ、ヨーロッパとアメリカ）で。最後に2023年10月、世界の代表司教の集まりがローマで教皇と共に行われます。
各教区で歩み始めるシノドス
今日１０月１７日日曜日、世界の各教区で、その歩みがスタートしました。聖霊の祈りを唱えながら、この歩みを導いてくださるよう願いましょう。
来年の一月末までが教区レベルの段階です。それは各小教区、各共同体で最も優先的なテーマを扱いながら、ローマから出された質問に対しての考察を深めるようになっています。この作業をコーディネートするために、司祭と共にグループを立ち上げることが相応しいでしょう。それによって、グループの集まりで分かち合う体験を収集してまとめることができると思います。今は新型コロナウイルスのパンデミックが終息したわけではないので、多くの人が一度に参加することは難しいので、小さな集まりでしたことを集めていくようになるでしょう。
そして各小教区は、共同体で分かち合った体験を教区のシノドス委員会に送ります。そしてその委員会は受けた資料をまとめます。それは現在と未来、今日と明日に、神様が望んでいることに対するそれぞれの教区の声になります。
説教の終わりに聖霊の祈り、「聖霊よ、私たちはあなたの前に立っています」をご一緒に唱えます。この祈りは世界中で唱えられます。私たちもそれぞれの小教区で唱え、祈りましょう。日本語以外の言語もあります（英語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語など）。共同祈願の中でも、シノドスのために祈ってください。提案されている祈りを選択することもできます。
後日、ビデオを通して、教区レベルでのシノドスの正式な開始を宣言します。主任司祭の皆様には、具体的にどのように集まりを行えば良いのかを、小教区の委員会で話し合うようにお願いします。
教皇フランシスコが特に求めていること
ここで最も重要なことを思い起こしましょう。一番大事なことは、ローマからの質問に答えることではなく、キリスト者としての経験を、そこにある困難や、新たな挑戦について、お互いに聞くことです。「聞かれていない人たちの声を聞くこと」、すなわち、教会から離れた人、あるいは反対に、教会が離れた人の声を聞くことを教皇は強調しています。
教皇がいつもおっしゃっている「出向いていく教会」の意味は、私たちが小教区の周縁に行くことです。周縁（ペリフェリア）とは、苦しんでいる兄弟たちがいるところ、社会や教会生活から疎外されているように感じている人たちのところです。カトリック教会で洗礼を受けたにもかかわらず、社会や教会生活で疎外感をもっている人たちも含まれています。各共同体では、できるだけ多くの人たちの声、特に、例えば一人暮らしの人、刑務所にいる人、さまざまな理由で仲間はずれにされている人たちの声を聞く方法を探してください。しかし、苦しんでいる人の中にイエスを見るのであれば、そのような方たちの多くは教会の外にいるのです。教皇は私たちみんなに、この回心を願っています。その方たちのところに出向いてくようにと。彼らが私たちのところへ来るのを待つのではなく。教会に来ていなくても、私たちの共同体のメンバーであることを感じられるようにと。
出会った人たちの数を数える誘惑に陥らないようにしましょう。私たちが神の言葉に真剣に耳を傾け、彼らのところに出向いて行った、そして、私たちの時間や食べ物を彼らと分かち合った、と感じられるように努めましょう。
希望を持って始めましょう
このシノドスの道を喜びを持って始めましょう。日常生活の中で私たちを待っておられる主に出会うように、共に歩みましょう。
この日曜日の神の言葉を読んでください。イエスの強くて緊急の呼びかけとして、特に今日の福音書を読んでください。私たちがキリスト者として、困っている人たちに対して仕える者になり、祈りと具体的な行動をもって、さらに幸せになることを求めましょう。
このシノドスの道を導いてくださるように、聖霊の祈りを唱えることができます。私たちの教区では司教団の発表に先立って翻訳をしましたが、正式な日本語の翻訳が届きました。従って、日本の全教区でこの共通の祈りを祈ることができます。
シノドスのための祈り
Adsumus Sancte Spiritus（聖霊よ、わたしたちはあなたの前に立っています）
聖霊よ、わたしたちはあなたの前に立ち、
あなたのみ名によって集います。
わたしたちのもとに来て、とどまり、
一人ひとりの心にお住まいください。
わたしたちに進むべき道を教え、
どのように歩めばよいか示してください
弱く、罪深いわたしたちが、
一致を乱さないよう支えてください。
無知によって誤った道に引き込まれず、
偏見に惑わされないよう導いてください
あなたのうちに一致を見いだすことができますように。
わたしたちが永遠のいのちへの旅を続け、
真理と正義の道を迷わずに歩むことができますように。
このすべてを、
いつどこにおいても働いておられるあなたに願います。
御父と御子の交わりの中で、世々とこしえに。
アーメン。