司教メッセージMESSAGES
東日本大震災10年に向けて
2021.12.9 (火)
間もなく3月11日を迎えるにあたり、特別の思いを込めてメッセージを送ります。
忘れもしません。宮城県沖を震源とするマグニチュード9.0という世界最大級の地震が東日本を襲ったのは、10年前の2011年の3月11日、金曜日の午後2時46分のことでした。さいたま教区でも沿岸部の茨城県を始め数々の被害がありました。
それから10年が経過し、ハード面の復旧は見た目には進んだものの、被災された方々の受けられた心の傷は深く、大きいもので、その時のことを思い出すたびに心を痛めていらっしゃるに違いありません。また、世界に衝撃を与えた東京電力福島第一原子力発電所の事故が引き起こした災害の恐怖と広がりは今も続いています。多くの方々が故郷を失ったままの生活を余儀なくされておられること、一生懸命に育てた農作物、自慢の漁獲物をまた皆さんに喜んでいただける日を夢見て頑張っていらっしゃる農家や漁師の方々のことを思う度に、心が疼きます。
被災地が集中した仙台教区に最も隣接したさいたま教区の皆さんは、いち早く行動を起こされ、がれき撤去や住居の片づけから始まり、避難所への訪問や炊き出し、そして、もみの木ステーションをベースとしての長期にわたる様々な被災者支援活動を行ってこられました。被災された方々のお話にじっと耳を傾け、その方々が今、望まれていることの助けになろうとした活動は、隣人愛に基づいた行動だと思います。
10年の節目を迎える今年の3月11日は、新型コロナウィルス感染防止の必要から、人々の移動が厳しく制限され、一堂に会してのごミサを捧げることも出来ない状況ですが、いつの日か、教区としても追悼と記念のごミサを捧げたいと願っています。
いわき教会で捧げられる3.11のごミサに当たっては、集うことのできない私たちに代わって、ボランティア支援活動にかかわってくださった方々を中心に、さいたま教区内外、また教派を超えた教会の皆さんから寄せられた思いもかけないほどたくさんの「祈りの折り鶴」が届けらます。集うことはできないときには、私たちは心でつながることができます。
3月11日の午後2時46分、皆様それぞれの場所でお祈りください。
なお、3月11日には、司教団のメッセージも発表されます。
どうぞ皆さん、日本の司教団とも心を合わせ、東日本大震災被災者の皆さんを忘れずに、希望の持てる復興がかないますよう、お祈りいたしましょう。