司教メッセージMESSAGES
聖霊降臨の主日 ヨハネ 14・15-16, 23-26
2022.12.5 (日)
兄弟姉妹のみなさん、今日は聖霊降臨の祭日を迎えています。ルカが使徒言行録で語っているように、典礼は教会の誕生を再び体験させてくれます(使徒言行録2・1−11)。
復活の50日後、聖霊が弟子たちの共同体に降りました。「彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた。」(使徒言行録1・14)。従って、教会は聖霊の訪れによって始まったと言えます。
さいたま教区、聖霊降臨に先立っての2つのお祝い
司祭叙階
はじめの出来事は5月30日の月曜日、浦和カテドラル教会で祝われました。その日、ラファエル 安 ジンヒョン助祭の司祭叙階式が行われました。この叙階式には教区の全ての司祭と助祭たちが参加しました。東京神学院の司祭、日本各地で働いている約15人の韓国人司祭たち、そして、ラファエル神父のご両親が韓国から来られました。教区内の韓国人共同体を代表している、小さなグループの信徒の方々も参加されました。ミサの終わりにラファエル新司祭のご両親の挨拶があり、お母さまは短い感謝の言葉を日本語で話され、参加者みんなを驚かせました。残念ながら、新型コロナウイルスの感染対策のために、信徒の参加が制限されましたが、私たちのさいたま教区にとって、これは聖霊降臨の強い体験でした。
新しい聖堂の献堂(佐野教会)
二つ目の出来事は、昨日、6月4日にありました。栃木県にある佐野教会の献堂式でした。新聖堂は耐震基準を満たさないため使えなくなった古い大きな聖堂の横に建てられました。古いものより小さいけれど、もっと温かみがある聖堂が出来上がりました。日本二十六聖人に献げられている聖堂でしたから、新聖堂の献堂式は二十六聖人の祝日である2月に予定されていましたが、パンデミックのために延期になりました。昨日は、コロナの制約があって、主に、栃木県の司祭たちと佐野の信徒が参加し、神の栄光と神の民のために奉仕する、新しい聖堂を献堂することができました。イエズス会の管区長であるレンゾ・デ・ルカ神父の寄付によって、日本二十六聖人の中の三人の聖遺物を祭壇の大理石の中に置くことができました。この新しい聖堂を訪れるのは小さな巡礼になるのではないでしょうか。
佐野教会の信徒の希望を聞きながら、この聖堂の実現のために寄り添って下さった建築士の瀧澤正信様に感謝します。また、聖堂を訪問なさる方は、天井の木の美しい自然の流れと、志田政人先生が用意されたステンドグラスの美しさを見ることができます。
聖霊降臨:唯一、聖なる、普遍、使徒的教会の誕生
聖霊降臨という特別な出来事に、教会の本質と特徴があります。
・唯一の教会:聖霊降臨の共同体として唯一です。祈りにおいて結ばれ、心を合わせていました。「一つの心一つの魂」(使徒言行録4・32)
・聖なる教会:教会そのもののメリットではなく、聖霊に生かされてキリストに目線を合わせ、
キリストとその愛に一つになるため。
・普遍の教会:福音は初めから全ての民のために向けられていたのです。
聖霊は全ての言葉を語らせるのです。
・使徒的教会:使徒の土台に築かれているから。後継者である司教たちによって、その教えが
忠実に継承されているから。
教会は宣教者である
教会の本質は宣教です。五旬祭の時から、聖霊の促しによって世界へ向かって地の果てまで、世の終わりまで、教会は宣教します。この事実は、2000年前から歴史の全ての時代において確認することができます。使徒言行録の中に、それが前もって書かれています。福音がユダヤ人から異邦人へ、エルサレムからローマへと広まりました。ローマは異邦人の世界を示しています。このように全ての民とは、旧約の神の民の外にいる、全ての民を意味しています。
使徒言行録の物語は、ローマに到着したことで終わっています。パウロとペトロの殉教はそこに含まれていません。ですからローマとは、教会が普遍的で、宣教するという意味で具体的な名前なのです。ローマは、原点に忠実。全ての時代の教会。ローマと言えば全ての言葉を語る教会。全ての文化に出向いて行きます。
教会の母である聖母の取り次を願いながら終わりましょう。
兄弟姉妹の皆さん、最初の聖霊降臨は、イエスの母がエルサレムのセナクロ(夕餉の時)で弟子たちと共に祈っていたときに起きました。
聖霊が、豊かに私たちの時の教会の上に訪れるように。すべての人の心を満たし、ご自分の宣教の熱意で私たちを燃え立たせてくださいますように。
父と子と聖霊の御名によって。アーメン。