カトリックさいたま教区/CATHOLIC SAITAMA DIOCESE

司教メッセージMESSAGES

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復活節第5主日 ヨハネ 13・31-33、34-35

2022.12.15 (日)
兄弟姉妹のみなさん、
 復活節中の第一朗読では、使徒言行録が読まれます。使徒言行録には、イエスの復活後の初代共同体の誕生と成長が詳しく描かれていますので、朗読を聞く私たちは、共同体は聖霊に促されて、特に使徒たちが、エルサレムを超えて、ローマ帝国のさまざまな地方で福音宣教活動を始めたことをとてもよく知ることができます。

第一朗読(使徒言行録14・21b−27):パウロとバルナバは最初の福音宣教の旅から戻る
 今日朗読された使徒言行録の箇所は、異邦人の間でのパウロとバルナバの福音宣教の成功を紹介しています。宣教的な努力は福音の広がりの基であり、それはエルサレムを超えて異邦人の世界に広がり、私たちのところまで届きました。
 第一の使徒的旅を終わり、以前訪問した町に戻ったパウロとバルナバは、再び弟子たちを励まし、信仰にしっかりと踏みとどまるよう勧めます。
 この訪問は、共同体を整える機会でもありました。パウロとバルナバは、弟子たちを力づけ、それぞれの共同体に長老と呼ばれるリーダーを任命し、断食して祈り、彼らをその信ずる主に任せ、アンティオキアに戻り、教会の人々を集めて、神が共にいてくださり、異邦人に信仰の門を開いてくださったことを報告したのでした。

第二朗読(黙示録21・1−5a)神の力によって、平和が統治する世界を築く
 今日の主日もヨハネの黙示録が朗読されました。パトモスの予言者(予見する人)は、新しい天と新しい地の、素晴らしい光景で、私たちに希望を与え、励まします。復活されたイエスの現存の力が世界を贖うことが、私たちを囲んでいる死の現実を変えるための努力の、大きなビジョンになります。
 キリストを信じる全ての力を合わせることによって、兄弟愛に満ちた世界を築くことができます。アシジの聖フランシスコの祈りにあるように、私たちは、神から人類におくられた平和の道具です。そのことを忘れないように、この祈りを時々祈りましょう。

福音(ヨハネ13・31−33a、34−35):イエスの霊的遺言、新しい愛の掟
 福音書の朗読によって、私たちは、今、最後の晩餐でイエスがされた別れのスピーチ、霊的遺言を聞きました。おかげで、私たちは、弟子たちの兄弟愛的生活によって現れる、見える印としてのイエスとの一致のことを目の当たりにし、さらには、愛の大きな掟をこころを込めて弟子たちに話されるイエスを、まるで今、この目で見るようだったのではないでしょうか。
 この愛の掟を守っているかどうかによって、世がどの共同体に属しているかが分かります。初代の教会の人たちは、独自の明確なものが何であるかを、議論したのではないかと考えられます。そのために、利己心、妬み、恨み、憎しみでいっぱいの世の中で、イエス自身の言葉に基づく共同体は、全面的に新しく、それ以前とは違う現実を証しするようにと呼ばれているのです。それは、愛の証しです。

 信仰、変化に開かれていること、そして特に、イエスの生きた力に満たされる姿勢が必要です。それによって私たちの人間として、そしてキリスト者としての生活がもっと大きい意味を持ち、本当の福音の証しになっていきます。

二つの意向で終わりましょう:
・ 兄弟愛、受け入れ、忍耐、そしてさまざまな愛の行いによって、今日、私たちがイエスの弟子であることを、皆が知るようになりますように…
・ 教会がますますエキュメニカルになりますように。全ての民、文化と宗教に教会が広がり、キリスト者が正義と助け合いに満ちた世界の建設に、もっと謙虚に協力することができますように。